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銀行の効率営業について考える(1)

2017.07.16

私がはじめて営業担当になった頃

もう、30年以上前の話です。私は、都市銀行に入行して3年目に、融資課から取引先課に異動になりました。前任者が病気の為に急遽、本部の事務センターに異動となった後を引き継ぎ担当しました。支店は業績優良店で、前任者は支店のエースでしたから、支店長もかなり大胆な人事をしたのではないかと思います。その頃の営業は、担当地盤内の事業法人だけでなく、居住している個人や会社内の従業員取引など全ての口座が管理担当口座でした。

毎日の行動計画は、訪問件数30件、法人新規5件、ネタ3件だったと思います。
ネタとは、預金や融資につながる案件情報のことです。

顧客訪問から支店に戻ると報告を書いて、支店長・副支店長・課長の前で報告するのですが、上記の行動計画に対して、大幅に不足すると、厳しい叱責が待っていました。私も、度々、訪問活動の為、再度、外に出されました。5時以降では、訪問する先も限られ、当時は携帯電話もありませんでしたから、公衆電話ボックスから、個人客中心に預金案件の開拓電話をしたものです。

また、定期預金については、期日管理が徹底されていて、訪問・電話にて事前に顧客に案内することになっていました。期日管理表は、定期の窓口に回付され、実際の手続きがされた際に手続伝票と一緒に支店長席に回付されます。もし、継続予定となっていたものが解約されたりすると「違約」として、営業担当が厳しく指導されることになっていました。

ある時、私が店に戻ると、副支店長に厳しい声で呼ばれました。「違約」です。
私は、早速、事態確認のために顧客のところに行くよう命ぜられ、外に放り出されました。

それは、面識のない顧客のものでした。私は、顧客に期日案内もせずに継続予定として処理して回付していたのです。住所を頼りに訪問すると、その顧客は既に転居していました。はっきりとした転居先もわからぬまま、近所の人に聞いた「あっちの方の団地?」という曖昧な情報だけで探し歩いていると確かに集合住宅にたどり着きました。何時ごろだったかはっきりは覚えていませんが午後7時から8時頃になっていたと思います。この団地を戸別訪問して探すしかないと思って団地の掲示板に目をやると部屋番号と名前の一覧がありました。運よくその掲示板で顧客らしき部屋番号を見つけ出し、訪問しました。奇跡的にもその顧客でした。何を話したかはよく覚えていませんが、再度の預金をお願いしたのではないかと思います。その顧客は、私が担当している会社の元従業員でした。後日、解約額の半分程度を再預入していただきました。今から思うと、何と効率の悪い営業活動でしょうか。

都市銀行でも、このような効率の悪いスタイルが存在していました。

「三つ子の魂百まで」といいますが、私にとっての営業スタイルは、良くも悪しくも、この店で基本ができてしまいました。まさに「どぶ板」営業スタイルです。非効率的で「愚直」なスタイルです。その後、大型店も多く経験しましたが、企業と商店街が混在するこの最初の支店での経験は、私の「試行錯誤型」営業の原点となってしまいました。もっとも、大学のキャリアセンターで就職支援責任者として、部下とともに年間2000社訪問できたのも、「訪問件数毎日30件」の経験があったからだと思いますが。

 

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