転職コラム・口コミ

HOME > 転職コラム・口コミ > コラム > これから求められる人材について

これから求められる人材について

2017.07.01

「模範解答」:答えを先に聞きたい世代

2010年9月、リーマンショックの1年後、私は大学のキャリアセンターで企業訪問を中心に求人開拓をしていました。そんな時、金融機関で研修所の講師をしている友人から聞いた話です。研修テーマの内容には触れませんでしたが、おそらく事業法人への金融提案力などのスキルアップ研修などを行っていたと思います。経営分析や企業評価とか、経営課題に対する具体的なコンサルティング計画の提案などを錬磨していくものです。受講者は国内の一流大学を卒業した非常に優秀な人たちなのですが、受講者の興味は何かというと「模範解答」なのだそうです。中学・高校の段階では、テストの回答は、まあ1つです。

しかしながら、実際の企業に対するアプローチは決して1つではない。友人の研修講師が受講者に伝えたいポイントは、個々の方法論ではなく、それらを理解した上での柔軟な課題解決能力なのですが、受講者はすぐに、「ベストアンサーは何か?」と聞いてくると言うのです。何故このような状況が生まれると思いますか?

このような人たちは、おそらく、教育産業の拡大とともに増加してきているのではないでしょうか。私の時代は、教科書だけの勉強でまあ大丈夫でした。それで十分ではなかったかもしれませんが、今のように学習塾や学習参考書を活用して勉強する人の割合が多くなかったため、その程度でも受験戦争でそれほどの不利益は感じませんでした。教科書を繰り返し読んで、自ら重要なポイントを探していきます。練習問題集もありましたが、今のように丁寧な解答の解説などありません。分らなければ、「ひたすら考える」ことになります。ところが、記憶を定着させるにも、仕組みを理解するにも、この試行錯誤のプロセスが非常に大切だと思います。分かりやすく解説が載っている学習参考書や塾講師は、大変役立つものですが、デメリットもあるのです。

皆さんは、車を運転する際にカーナビを使うと思いますが、何度も来たことのある場所なのに、なかなか目的地を覚えることが出来ず、常にカーナビに頼ってしまうような経験は、ありませんか?参考書も使い方を間違えると、思考の柔軟性や、物事に対する洞察力を鍛える機会を奪ってしまうことがあると思うのです。今のような充実した教育環境が、皆さんから大切な能力発達の機会を奪ってしまっていたとしたら、少し残念です。

これから求められる人材は、「考える力」・「課題解決能力」が高い人材

経営課題への対処に関してもこのような「事前に模範解答を取得して来た経験」が問題を難しくしているように思います。他社事例の検索や方策などの情報収集で解決できる課題なら良いのですが、「ベストアンサー」が周辺を探しても見つからない場合も多いからです。高度経済成長期は、既に存在する「成功モデルに基づいた成功マニュアル」が機能しており、問題が起きてもマニュアルに沿って修正可能でした。しかし、今や企業は、新たな成長分野の開拓や事業モデルの構築なくしては存続が難しい状況になって来ています。「考える力」・「課題解決能力」が教育・研修の重要テーマになってきたのには、それを必要とされる社会環境の変化と、そのことに十分対応できない人材状況があると思うのです。

そういうわけですから、転職を考えている方も、日々の仕事の中で、「考える力」・「課題解決能力」を活性化させ伸ばすために、ただマニュアル通りに仕事を消化するのではなく、何故そのような手順になっているかなどをしっかりと理解し、改善点がないかを研究して取り組むことが必要ではないかと思います。「課題解決型人材」が、競争優位な時代が来ています。

TOP